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ヤマレコハジメマシタ。
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ヤマレコ山行記録
4:00頃、小屋の明かりがつく。 それを合図に朝食の準備にかかる。 寝るスペースの足元に棚があり、そこで自炊できるのでとても楽。 小屋泊まりはテントを撤収する時間が不要なため、空き時間で昨日 ハイマツラッセルで破れてしまったTシャツを修理。 出発前に、急きょクラフトトーカイで買ってきた裁縫セットが役に立っ た。 ヘッドランプをつけてチクチク縫っていると、同宿の方々から「何し てるの?」と聞かれたので「縫い物です~。」と答える。 「最近そんな事してる人見た事ないよ。」 「うちの子供は絶対できない(笑)」 「どれどれ見せて・・・お、破れたところわからないねぇ。」 「ガムテープで補修しちゃうなぁ。」 等々、口々に感想を述べてくれた。 いよいよ今日がこの旅の核心。 荒川三山、赤石。 いよいよ、南アルプスの最深部を越えていく。 昨夜は緊張感があったのだが、この朝の裁縫タイムで気持ちが 落ち着いて、楽になった。 悲観と楽観の狭間で揺れていた予測の天秤が、楽観に傾く。 そうだ、昨日のハイマツラッセルだって、自分で招いたトラブルと は言え、無事に脱出し、小河内の小屋まで来れたのだ。 きっと今日も赤石の小屋まで行ける。 2階に干しておいた服に着替え、シュラフとマットを手早くたたみ、 小屋に着いたときの状態に荷物をパッキングする。 輝く朝日を受けて出発。 全員が見送りに出てきてくれた。 ああ、光岳まで行くという事はこういう事か。 沢山の人が、ただ一度偶然出会った人たちが、背中を押し、心配 してくれる。 ありがとう、行ってきます。 5:17 高く手を挙げて、見送りに応えて小河内岳の山頂に向かう。 ![]() 南アの最深部へ ![]() 塩見岳が懐かしく見える ![]() 行く手の荒川三山 山頂を越え、下りにかかると、朝日を背中に受け、雲海を見下ろす。 小河内岳のレプリカが雲に黒く描かれる。 その白と黒の境界線に光輪が輝く。 ブロッケンだ。 ![]() 小河内岳ブロッケン 雲海の上はどこまでも澄み渡り、爽やかな風が吹く。 昨日までの、不安と後悔をさらっていくように、通り抜けていく。 高山裏避難小屋までの尾根道を、軽い足取りで下っていく。 ![]() 小河内岳と塩見岳 振り返れば過去。 ![]() 南アは続く 見渡せば未来。 光岳まで行くというのは、計画した時はウソだ。 今でもまだウソだ。 どんなに実現可能に見える計画も、実行されていないうちは全て ウソだ。 ウソが、2日経って、少し本当に近づいた。 まだ来ぬ時間軸に線を引く。 その線を本当の出来事にするために、準備し、荷を運び、歩く。 この一歩が、次の一歩が、未来を現実に手繰り寄せる証し。 生きる、生きている証し。 自分が確かに生きて、ここに来た証しを、悠久の時の中に深く 刻もう。 7:09 板谷岳。 地図で見た文字と記号が、次々と現実の姿を現して、過去になっ て過ぎていく。 ![]() シコタンハコベ ![]() 崩壊地すれすれの登山道 ![]() タカネコウリンカ咲き乱れる草原 「どうやったって無理なんだ、知らない記憶を知ることは。 言葉で伝えても、伝わるのは言葉だけ。」 Bump Of Chicken 「宇宙飛行士への手紙」 より。 来て、見て、初めてわかる事ばかり。 本当に知らない事ばかり。 知らない事ばかりで、よかった。 7:46 高山裏避難小屋。 ![]() 静かな佇まい お手洗いを借りて、さらに先に進む。 見たところ、お手洗いも綺麗だし、テントサイトはよく整備されていて 快適そうだ。 小屋のご主人は、昔気質のオヤジ、といった感じで、最近の人当り の良い小屋に慣れた人には厳しいかもしれない。 ただ、登山者を心底好きな人なんだろう、という気持ちは、わずかな 会話の中に感じる事が出来た。 高山裏から20分程で、水場に出た。 冷たくて美味しい水。 荒川岳の登りに備えて、たっぷり給水する。 今日は良い天気なので、森林限界を超えると暑くなりそうだ。 ![]() どこでも南アルプスの美味しい水 ![]() オオヒョウタンボク 水場を過ぎるとすぐに鎖場が出てきて、一瞬緊張する。 鎖場自体は大したことは無く、しかもここ一ヵ所なのだが、冷静に 観察してみれば、登山道の左側は樹林帯で見えないが、深く落ち 込んでいて、踏み外せば谷へ一直線だ。 こんな樹林帯で踏み外して、登り返せなければ、本当に発見されず に死んでしまう。 怖い怖い。 そんなトラバース道は徐々に尾根道になり、斜度を増していく。 樹林帯には大量の羽虫が飛んでいて、近づくと木の葉にとまって いるやつも一斉に飛び立って、体中にたかる。 羽の生えたアブラムシなので、別に悪さをするわけではないのだが あまりいい気分ではない。 森林限界にでるまでの小一時間、たかる羽虫を息で吹き飛ばしなが らの登高になったので、精神的に疲れた。 ![]() 荒川前岳への登り 樹林を抜けて、カール状地形の真ん中にガレの一本道が現れた。 ここを登り切ればいよいよ、荒川岳に到達だ。 ここを登っている間に、ヘリが荒川岳の向こうから現れ、小河内岳 方面に飛び去って行った。 そして、しばらくすると、また戻って来て、荒川岳の上空を旋回して またどこかへ飛び去って行った。 遭難者の捜索だろうか。 樹林帯を抜けて1時間、荒川大崩壊地を右手に見る。 ![]() まさに大崩壊 登山道を歩く振動で、足元がバッサリ崩れてしまうのではないか、と 思ってしまう。 さっき崩れたばかりのような、岩と砂礫以外何もない崩壊地。 登山道を挟んだ反対側にはお花畑が広がる。 生と死の狭間を歩く。 崩壊はきっと、大雨や雪解けの度に進んでいるのだろう。 花たちは、いずれこの崩壊にまきこまれてしまうのだろう。 崩壊する、その最後の一瞬まで、精一杯生き続けるのだろう。 彼らには、崩壊がいつ足元に及ぶかなど、関係ない。 いま、この瞬間を精一杯、命を未来に繋ぐために生きる。 きっと、生きる事はそんなふうにシンプルなんだ。 10:46 荒川前岳。 ![]() 荒川三山の西端に到着 ![]() 荒川中岳への縦走路 荒川前岳から縦走路を少し下り、荒川小屋分岐から一登りで荒川 中岳だ。 ![]() 11:02 荒川中岳 中岳避難小屋に荷物を置かせてもらい、悪沢岳往復に出かける。 まさに空身、水も持たず、ストックとカメラだけを持って出発。 コルまで来て、さすがに水とウィンドジャケットを持ってこなかった のはまずかったかと思ったが、ここまで来たらさっさと避難小屋まで 戻るしかない。 コルまでは比較的緩く下っていたが、悪沢岳への登りは見上げる ような岩稜帯の急登だ。 岩を縫うように這い登っていく。 膨大に見えた登りだが、空身という事もあって、意外とあっさり山頂に 出た。 11:51 悪沢岳(荒川東岳)到着。 ![]() 悪沢岳 小河内岳を見たかったが、ガスで眺望なし。 記念撮影のみで引き返す。 ![]() 雲間に絶景 ![]() 晴れてたら素晴らしい稜線歩きだろう ![]() 稜線のお花畑 ![]() 荒川岳ベストショット 12:30 ちょうど90分で中岳避難小屋に帰着。 喉が渇いたので、小屋で飲み物を買って休む。 ついでにお手洗いを借りて、小屋のご主人の山中さんと色々話す。 今日は夕立も無さそうで、日のあるうちに百閒洞までは行けるかも と、赤石岳周辺の注意ポイントを教えてもらえた。 期限切れカップラーメンをお土産にもらい、名残を惜しみつつ先へ 進む。 13:23 中岳避難小屋発。 ![]() お世話になりました 13:34 荒川前岳とのコルで荒川小屋方面に下る。 ![]() いよいよ赤石岳へ ここから一気に、標高差500mを荒川小屋まで下りる。 下り始めて、眼下に一面の花が広がる。 ![]() これがうわさに聞く荒川岳のお花畑 ![]() すごい ![]() 一面の花 これはすごい。 斜面が花で覆い尽くされている。 黄色と白の絨毯。 ![]() クロユリ その中に、見たかったクロユリも咲いていた。 ![]() ハクサンチドリ 鹿避けネットを何回か出入りして、高度を下げていくが、お花畑に圧倒 されて、高度差をあまり感じなかった。 ![]() 荒川小屋が見えてきた 14:26 荒川小屋着。 水場で水を汲んで、ポカリを補充する。 赤石岳避難小屋は水が無い可能性もあるため、念のため満タンに しておく。 小屋でバッヂを購入ついでに、牛乳を飲みながら赤石までの様子 を聞く。 標準タイムで3時間程度との事で、予想の2時間30分程度より多 めだ。 一瞬悩んだが、日暮れまでには到着できると見込んで、先に進む ことにした ![]() 荒川小屋 14:58 荒川小屋発。 中岳あたりから一緒だったソロの方に名刺を頂き、心配だから無 事に帰宅したらメールくださいと言ってくれた。 その方は荒川小屋泊まりにするので、ビールを掲げて見送ってく れた。 ガスの中、初日のように夕暮れ一人旅が始まった。 15:23 大聖寺平。 ガスで平坦な地形は結構怖い。 東海パルプの標識を見ると・・・んんん? ![]() 赤石小屋210分 そんなにかかるのか? 210分といったら3時間30分だ。 いくらなんでもそんなにかかるはずはないので、この数字は丁重に 無視する事にした。 後日、冷静に地図を見直したら、赤石岳には赤石岳避難小屋の他に 椹島方面へ下ったところに赤石小屋があり、この時の標識は赤石小屋 を示していたと解った。 紛らわしい・・・ 中岳避難小屋の山中さん曰く、赤石岳への核心部は、大聖寺平から 3030mピークまでの登りで、そこまで登ってしまえばあとは稜線歩き になるので難しい場所は無いそうだ。 標高差で約300m程度なので、それほどきついわけではない。 ガスで先が見えないが、黙々と一気に上り詰める。 3030ピークと思しき場所から稜線を歩くと、ガスの向こうに山頂の 標識が見えた。 16:28 小赤石岳。 ![]() あと30分程か そこから20分で、分岐に出る。 右手に赤石小屋と書いてある。 この時点で、赤石岳避難小屋と赤石小屋を区別できていなかったので 戸惑った。 が、まずは赤石岳の山頂を踏んでから小屋に行こうと、そのまま直進 する。 この夕暮れに、本来ならば良くない判断が、結果的には避難小屋に 直行する道を選んだ事になった。 直進すると、小屋への分岐道はあっという間に下ってしまい、山頂付近 にあるはずの小屋がどうやっても見えない。 おかしい、山頂から小屋に行くには、もしかしてこれをまた戻るのか?と 不安になる。 だいぶ歩いてしまって、間違えたかなぁ、と不安が大きくなってきた時、 赤石岳山頂と小屋が見えた。 どっと安堵する。 16:58 赤石岳山頂。 ![]() 間違えてなくてよかった ![]() 三角点と避難小屋 17:01 赤石岳避難小屋到着。 ![]() 無事到着 荒川小屋から無線で連絡してくれたようで、着くのを待っていてく れた。 荷を解いて、落ち着いてから受付をして、夕食にしようと炊事場でゴソ ゴソやっていると、まあこっちで暖まれと炬燵に呼んでくれた。 奥さんは「その荷物で荒川小屋からよく2時間で上がって来たねぇ」と ねぎらってくれた。 その夜の宿泊客は自分だけだった。 消灯までの短い時間、お酒を酌み交わし、TVを見ながら大笑いし、 名古屋の豪雨のニュースに驚き、リニアの工事の話で未来の南アに 思いを馳せ、とにかく楽しかった。 明日の朝は綺麗な富士山が見れるから、是非見てから出発して、と 言われた。 行程には余裕が出たので、遅めに出ても大丈夫だ。 ご来光を見てから、ゆっくり出発する事にして、広い2階の真ん中に 手足を伸ばして寝た。 夜中、何度か、轟轟と鳴る風の音のすごさで目が覚めたが、快適な 夜だった。
ヤマレコ山行記録
まだ暗いうちに、近くのテントの準備の音で目が覚める。 3:30ぐらい。 4:00頃、塩見往復のペアが出発していった。 それを見送り、朝食を作り、こちらも撤収開始。 ![]() 塩見岳往復ペアのテント 水を汲んで、ポカリ作って、テント仕舞って・・・と、パッキング作業は 一連の流れでだいたい1時間程度。 さて、出発と思ったら、テントの中にサングラスを入れたまま畳んだ のに気づいて再パッキングしたり、ついでにお手洗いに行きたくなっ たり。 お手洗いのカギが壊れていて、掃除のおねーさんに「○×△」な姿を 見られてしまったり、と朝からイベント盛りだくさん。 (カギは壊れていたのとは別に、もう一個ついていたのに気付かず。) 5:19 熊の平発。 ![]() 出発 よく眠れたおかげで、昨日の「もうだめかも」な感じは無くなり、歩く 気力が戻っている。 膝もそれ程気になる感じではない。 気持ちペースを落として歩けば、大丈夫だろうと歩き出す。 今日は、予定では三伏峠の幕営地まで行く予定なのだが、水場の 評判の件で悩んでいた。 塩見の小屋で三伏小屋跡の水場の様子を聞いて、大丈夫ならそこで 水を汲んでから三伏峠に上がってもいいか、と、塩見岳を目指す。 ![]() ウサギギク のどかな雰囲気の登山道を歩き続けると、安部荒倉岳を通過。 ![]() 5:54 安部荒倉岳 ガスで眺望は無いのと、朝でまだ薄暗い感じなので、やや重苦しい 気分で歩き続ける。 何パーティーかとすれ違い、休んでいるパーティーを追い抜き、ふと 三角点のある広場に出た。 7:48 北荒川岳。 地図上は登山道が通っていないのだが、三角点があることからここは 北荒川岳のようだ。 ショッツの補給がてらすこし座って休む。 ![]() 三角点 休んでいると、高校山岳部風の10名程のパーティーが追いついて きた。 熊の平を出るときに、妙に沢山のプラティパスに水を汲んでいた若者 がいたので、どうやってそんなに水持っていくんだ?と不思議に思って いたのだが、この人数なら納得。 にぎやかになる前に出発する。 ![]() 北荒川岳を振り返る しばらくの間、右手の崩壊部に沿って歩く。 ![]() イブキジャコウソウ イブキジャコウソウを見つけたので、撫でて香りを楽しんでみる。 確かにいい香り。 そこからすぐ先に、幕営地跡の小屋がある。 ![]() 閉鎖された小屋 ![]() タカネコウリンカ ![]() 草原 9:16 北俣分岐 きれいな三角錐の山が見える。 蝙蝠岳だ。 ![]() いずれ行ってみよう 北岳で会ったホソヤさんが、是非登ってみてと言っていただけの事 はある。 そして、いよいよ塩見の登りにかかる。 ![]() 塩見への道 アサヨ峰から見たとき、間ノ岳のさらに奥に小さく見えた塩見岳。 それが今、目の前にある。 岩場で7、8名の高齢者パーティーがいて、一人が頭を怪我した ようだ。 頭に布を当てて止血している。 60代半ばか70近いだろうか。 直前にすれ違ったソロの方が、この先に怪我人がいると教えてく れた、その当事者だ。 大丈夫か尋ねると、大丈夫とパーティーの人が答えたが、何が大 丈夫なのか疑問に思った。 どこまで行くのか聞いてみると、「マノダケ」まで行くそうで、底なしに 不安になったが、まあ、熊の平で泊まる事になるだろうとその場を 後にした。 ちょうどここで、熊の平を4:00頃出発したペアとすれ違う。 お互いの無事を祈って別れる。 9:54 塩見岳東峰。 ![]() 眺望なし あいにくガスで何も見えない。 北岳の向こう、アサヨ峰を見たかったのだが、残念。 記念撮影だけして早々に立ち去る。 9:57 塩見岳西峰。 こちらも記念撮影だけ。 ![]() またおいでという事ですね 本日の山場だったのだが、眺望もなく、本当に通過するだけになって しまった。 ガレ場を歩いていると、足元でガラガラと落石の音がする。 自分が落としたのかと立ち止まってみたが、それでも音は止まらない。 ガスの中、よく見てみると・・・ ![]() 雷鳥さん 雷鳥さんがガレ場で砂浴びをしていた。 数羽でバタバタしているので、ひっきりなしに小石が音を立ててガスに 消えていく。 下に登山道が無くて幸いだ。 ![]() イワギキョウ ガレ場のトラバースで思わず足を止めてしまった。 碧い、海の碧の岩。 まさに潮の色。 山頂を越えた一部だけ、この碧い岩がある。 もしかして、塩見岳はもともと潮見だったんじゃないだろうか。 山頂でこの岩を見て、海の色を思い浮かべない人はいないのではない だろうか。 きっとそうだと、勝手に納得しながら、この色は画像では絶対わからない だろうとわかっていながらも撮ってみる。 ![]() 美しい碧 この先、最後まで、この色の岩に会うことは無かった。 ![]() まもなく塩見小屋 かわいい看板に癒されてから、ほどなく塩見小屋に着いた。 ![]() 塩見小屋 塩見岳を越えれば、あとは今日の幕営予定地三伏峠まで下りるだけ。 時間にも余裕があるので大休止にする。 ホットココア、たらみのゼリー、牛乳で元気になる。 携帯の充電サービス(15分100円)をお願いして、その間に休憩。 ご主人に三伏小屋跡地の水場情報を聞くと、問題ないと言う。 廃止になったいきさつも、いろいろ教えてもらった。 三伏小屋幕営地の水は評判が良いので、そこに下って給水する事に 決定。 11:31 塩見小屋発。 11:44 塩見新道分岐。 ![]() 左折 12:59 本谷山。 ![]() ここから下り 途中、ロープで通せんぼしてある三伏小屋への分岐を曲り、三伏沢へ 下る。 予想していたより道は整備されていて、困ることは無い。 13:37 三伏小屋跡到着。 ![]() 小屋の残骸 ![]() 水場 水量豊富な水場はありがたい。 満タンに給水して一安心。 地図を見ながらどうするか考える。 まだ時間は早いし、天候も安定していて、数時間は先に進める。 明日の核心(荒川、赤石越え)に備えて、少しでも先に進んでおき たい。 だが、この先は高山裏まで幕営可能な場所は無い。 時間的に高山裏までは無理となると、選択肢は一つ。 全行程をテント泊とする計画を変更し、小屋の素泊まりを利用して 少しでも先に進むことだ。 そうと決めれば先に進もう。 めざすは小河内岳避難小屋。 16:00前には到着できるだろう。 14:04 三伏小屋跡発。 沢沿いの踏み跡を三伏峠方面に登り、途中で左手に曲がると烏帽 子岳への直登路となるはず。 そして、なまじ経験が増えたがために、罠にはまる事になる。 小屋が閉鎖された事から、あまり人が歩かないルートのはず。 踏み跡は不明瞭だと予想していた。 手入れがされていなければ、夏の時期に分岐が不明瞭になるのは 早川尾根の時の広河原峠への入り口で見ていたので、ここもきっと そうだろうと、踏み跡を探しながら先へ進む。 と、渡渉しやすいように石が並べてあり、その先に踏み跡が伸びて いる。 これに違いないだろうと、念のため地図を見て、小屋跡からの距離と 地形から分岐点と判断。 沢筋を離れ、尾根に取りつく。 どういう訳か、いつもなら見間違えないような、地図上の尾根と沢を 読み違え、登山道は尾根上を直登していると勘違いしたのだ。 しばらく登って、どうにもこれは登山道ではなく作業路か獣道だと 思い始め、再度地図を確認して間違いが確定した。 登山道のある沢はもう少し奥にあり、右手にその地形が確認できる。 とはいえ、藪漕ぎというほどの樹林ではなく、トラバース気味に登れ ばいずれ登山道と合流するはずだと、そのまま登り続ける。 樹林は徐々に濃さを増し、その隙間を縫うように獣道が走る。 こうなってしまうとトラバースできず、獣道を追いながら道なりに上に 登るしかない。 困ったなぁ、と思いつつも、すでに相当登っていて、木々を透かして 見れば稜線と思しき明るい空がすぐそこに見えている。 地形的にはどこをどう迷っても、必ず烏帽子岳山頂への縦走路に ぶつかるので心配はしていなかった。 と、予想だにしていなかった障害が目の前に立ちはだかる。 背丈ほどのハイマツの壁。 どうする。 ・・・行くしかない。 枝をかき分け、枝に乗り、濃緑の海原に漕ぎ出した。 これは、ラッセルだ。 ストックを両手でまとめて持ち、胸の前のハイマツの枝を押し下げ、 下がった枝に膝で乗り、枝が沈みきって安定したところで次に歩を 進める。 豪雪の白毛門のラッセルよりも数段厳しい。 ハイマツの海でもがき、祈り、それでも上に向かって登り続けてどれ ほど時間が経過したか、ハイマツが腰ぐらいの高さになってきた。 登る方向が見えるようになり、確認すると、登山道が見える。 見えた。 だが、それは、高々標高差で50mあるかなしかなのだが、その高度 差をラッセルして登る体力が残っていなかった。 その、登山道までのハイマツ帯に、後頭部からスゥッと谷底に引き込 まれるような無力感を感じた。 ダメだ、トラバースして登山道に合流しよう。 右手に90度進路を変え、高度を下げないようにトラバースを試みる。 数歩。 ハイマツの枝は、すべて斜面下に向いている。 進むたびに、下方向に流されていく。 数メートル下がっただけで、ハイマツの深さは背丈に近くなり、復帰 不可能となった。 足が動かなくなってきた。 重力に逆らえない。 もがけばもがくほど、斜面の下に落とされていく。 いつの間にか、ストックのリングにつけていた熊鈴は、カラビナだけ 残して無くなっている。 枝を払いのけ、一歩進んだとたん、足が枝の隙間にはまり、払いの けた枝から手が外れる。 限界までしなったハイマツの枝が左目にあたり、視界がぼやけた。 コンタクトがずれたのか、外れたのかわからない。 非常に見づらい状況になってしまい、体力も限界だ。 枯れ枝にTシャツをひっかけ、うまく外せずに左肩に大きな穴があく。 ここで遭難するのか? いや、最悪、三伏沢まで下りてしまえば三伏峠で幕営できる。 怪我さえしなければ大丈夫だ、と自分を叱咤激励し、このハイマツ帯 から離脱する事に集中した。 もう、遮二無二フォールラインに向かって泳ぎ続け、なんだかわから なくなりかけた時、突如、ぱっと視界が明るくなった。 ハイマツの壁から、疎林の草原に飛び出していた。 肩で荒い息をしながら、とにかく落ち着くことだと適当な場所に座っ てザックを下した。 コンパスの鏡で左目を確認するが、コンタクトはロストしたようだ。 ただ、そのおかげで眼球自体には何もないようだ。 三伏小屋跡で汲んだ水で指先を洗い、予備のコンタクトを付ける。 しばらくして、なんとか落ち着いたところで、水分補給をしながら装備 の状態を確認する。 ハイマツの葉っぱと花粉でまっ黄色になってはいるが、熊鈴以外に 紛失した装備品は無いようだ。 損傷も、Tシャツの肩に穴をあけた以外は、ザック、衣類ともに大丈夫 だった。 まあ、無くなったことに気づいたところで、探せる場所ではないのだが。 装備的には問題ないので、次に地形を観察する。 沢の源頭部、草原状のなだらかな地形からして、コルの稜線直下 だろう。 だとすれば、登山道までそう遠くは無いはず。 少しトラバースすると、小さい沢の詰めがあった。 小石が並ぶ沢が、ハイマツ帯の中に消えている。 これが登山道かと、周辺を探してみたが、どうにもハイマツ帯を 破できるような場所は見つからない。 ここではないと結論付け、地形図には現れないような小尾根を越えた 先に、白い看板が立っているのが見えた。 遠いので文字は見えないが、三伏小屋は幕営禁止の看板だろう。 助かった。 小走りに看板の上に進むと、そこには道があった。 ![]() 三伏沢からの道 なんと立派な道だろう。 ここを来れば、30分少々で稜線まで到達できただろう。 15:53 登山道復帰。 わずかな距離に2時間近く要してしまった。 だが、今は悔しさよりも、登山道に戻れた嬉さが大きい。 そのまま烏帽子岳まで登る。 16:02 烏帽子岳着。 小河内岳までは、2時間近い距離が残っている。 だが、登山道ならいくらでも歩ける気がした。 そのまま先に進もう。 最悪18:00着でも日は残っている。 前小河内岳の手前で振り返ると、一瞬ガスが晴れ、塩見岳が薄暮 に浮かび上がっていた。 ![]() 夕闇せまる塩見岳 行く手を見ると、小河内岳避難小屋がはっきり見える。 夕日を受けて、光っている。 小屋の前に人がいる。 見えるわけはないと思いながらも、大きく何度も手を振ってみる。 ![]() 小河内岳と避難小屋 そこからは、安心感もあってか、自然とペースも早くなる。 今日の燃料を使いきっても、そこには小屋があって眠れるのだ。 ![]() 小河内岳避難小屋 17:16 小河内岳避難小屋着。 先客4名の仲間に入れてもらい、荷を解いて、受付をした。 ほっとして外へ出てみる。 さっきまで、あれほど山と気持ちを覆っていたガスは晴れ、南アの 山々が夕日に、終わりゆく一日の残光に赤くゆれている。 本当にダメかと思ったけど、明日もまた旅が続けられる。 よかった、生きている。 歩ける事、こうして夕日に染まる塩見岳と、明日越えていくであろう 荒川岳を前後に見ていると、光岳までなんとか行けるような気が してくる。 小屋のご主人と、同宿の全員で同じ景色を眺め、ご主人の説明に 耳を傾ける。 ![]() 歩いてきた稜線と塩見岳 ![]() 荒川中岳 あの塩見岳の向こう、熊の平からはるばるやってきた。 昨日は北岳を越えてきた。 昨日越えてきた山は、塩見岳の向こう側に隠れて見えない。 明日も、昨日越えてきた山々を思って、遠くなった荒川岳を見ながら ここを思うのだろうか。 それとも、核心を無事に越え、祝杯をあげているのだろうか。 今日の数時間前の出来事すら予想ができないのだ。 明日の事など、考えても仕方がない。 今は小屋に入り、ゆっくりと疲れを取ろう。 その晩、消灯までの時間は、大いに盛り上がった。 まず前日が熊の平からという事で驚かれ、その前が広河原でさらに 驚かれた。 最終的には光岳まで行くと言ったら、その足なら大丈夫だろうとみん なが言ってくれた。 小屋のご主人に、明日の宿泊地を百閒洞にしようかと悩んでいると 相談したら、君の足ならたぶん行けると思うが、赤石岳避難小屋が 丁度いいだろうと奨めてくれた。 ここと同じように、管理人常駐だそうだ。 持っていたガイドブックには、無人小屋の記載になっていたので、 教えてもらえてよかった。 その後は、ご主人の若き日の話しや、皆さんのよもやま話で盛り 上がり、自分も今日は頑張ったからご褒美だと、普段は飲まない ビールを買って、乾杯した。 決して広くは無いが、まさにアットホームで楽しい避難小屋の夜は 風もなく、消灯後はあっという間に眠りに落ちた。
2011/07/23~28で北岳-間ノ岳-塩見岳-悪沢岳-赤石岳-聖岳-光岳
の縦走をしてきました。 まずは、山行データをヤマレコにアップしました。 南アルプスの縦走は「縦走」ではないです(笑) 毎日、でっかい山の日帰り登山を続けて行くのと同じです。 まあ、そのあたりはボチボチ更新していきます。 ------------ いよいよ、南アルプス縦走「北岳→光岳」を実行する日が来た。 台風の影響で南アルプス縦走林道が通行不可になるのではないかと 心配したが、幸い問題は起きなかった。 ただ、帰りのバス「しずてつジャストライン」は、畑薙第一ダムへの道路 の路肩崩壊のため、復旧していない。 下山する予定の28日(木)に復旧することを祈って、ダメなら易老渡で ヒッチハイクだ。 7/22(金)22:00新宿発の広河原直行バスに乗るため、通い慣れた 道を湘南新宿ラインで新宿へ。 【装備品】 荷物は38LのCODEに満載。 それでも入りきらないため、拡張2.5Lのサイドポケットを取り付けた。 容量の半分は6日分の食料とポカリスエット。 いつものドライフーズとパスタ、カップヌードルのリフィルがメインの ため、かさばるものの重量はそれほどでもない。 着替えも最小限、寝るとき着る長袖とタイツ、ダウンジャケットと帰り に入浴後に着替えるTシャツ(メッシュで軽くて小さくなるヤツ)とトラ ンクス、靴下。 これらを冷凍庫用ジップロックに入れて、圧縮してある。 それ以外にも、荷物の容積を少なくするため、地味な工夫をいろいろ。 テント本体、フライシートとボトムシート、ダウンジャケット、アルミマット を、それぞれモンベルのアルパインサーマシェルジャケットとパンツに 付属のスタッフザックに押し込んで圧縮。 レインウェアはジャケット用のスタッフザックに上下を詰め込んで圧縮。 余ったパンツ用のスタッフザックに、前述のダウンジャケットを入れて 圧縮。 モンベルのスタッフザックは少しコンプレッションが効くようになってい るので、だいぶ小さくいなった。 素のままよりも、全体で2/3程度まで小さくできたため、なんとか40L 程度の中に約1週間分のテント泊装備が収まった。 普通なら60~70Lのザックに満載になる旅程ではないだろうか。 槍2泊3日の時の経験が、今回のパッキングの改善に役に立っている。 マットはパンクするとアウトなので、最新型のリッジレストソーライトを 持っていく。 アルミ蒸着されたため、保温性が大幅アップ。 早川尾根で使用した際の感触もよかった。 シュラフは早川尾根用に新たに購入したU.L.スーパースパイラル ダウンハガー#5にした。 軽くて小さく、必要十分な保温性を持っている。 快適性から言えば、愛用のU.L.スーパーストレッチダウンハガー#2 なのだが、容量を稼ぐため小さい方にした。 寒ければダウンジャケットとウィンドジャケットを着こんで寝るつもり。 あとは、バーナー類一式のパックと、ヘッドランプや薬などが入った 生活パック。 ぶら下げ紐つき洗濯バサミ4個。(移動中にザックにつけて干したり、 幕営地で濡れ物を乾かす際に必要。小屋でも使うかも。) 工具、予備電池、ファーストエイドセット、スリング60cmx2、240cm x1、カラビナx2、クイックドローx1。 これに、登る時には水3L(ポカリ2L+真水1L)が追加される。 総重量は量っていないが、背負った感じで15~17kg程度と推測。 ヒロ君を背負って歩くのに比べれば格段に軽い。 とはいえ、予定通りに進んで6日間にもわたる山行を、無事歩ききれる のか、不安は尽きない。 地図は1/25000を日毎のセクションで5枚。最後の2日は聖から光 のエリアなので、5日目と同じ地図を使用する。 予定幕営地が1枚に収まるように、カシミールで印刷後に切り貼りした。 プラスで、小屋、水場、テント場を記入した1/50000を3枚。 行動着はセパレートパンツの膝下を外してハーフにし、CW-Xの上に 履くのを基本とした。 靴下は、今回ファイントラックのベースレイヤーを履いた上にモンベル のウィクロントレッキングソックスを重ね履きする。 早川尾根の2泊3日で、蒸れて足の皮膚が柔らかくなり、靴ずれを誘発 したので、その対策で導入。 臭い対策にもなるので、かさばる靴下の替えを減らす効果もある。 上はファイントラックのフラッドラッシュノースリーブをベースに、モンベル のスーパーメリノウールの半袖Tを着用。 腕はクールメッシュの、手首から二の腕までをカバーするスリーブを 使用した。 長袖よりも半袖+スリーブが冷却効果が高いので、これを基本にした。 ガス、強風等で寒いときはモンベルのU.L.ウィンドジャケットを着れば 行動中は問題ないはず、である。 【出発】 新宿モンベルで最終の買い出しをし、バス待ち合わせのスバルビルに 行くと、でかいザックを持った人々が集まっている。 一目でそれとわかる。 単独とペアは1号車に、3名以上のグループは2号車に振り分けられた ようで、ゆっくり眠れそうだ。 バスは途中、双葉S.A.で休憩した後、芦安の天笑閣で仮眠。 休憩所で一人あたり座布団3枚とタオルケットが準備されていて、快適 に仮眠できた。 4:40に広河原行きの路線バスが迎えに来るので、乗り込む。 海の日のようにはならず、全員着席で満車となって、夜叉神峠に向か った。 (バスセンターに向かうバスは、これとは別のバスが行くようになって いた。) 夜叉神峠で2名下りて、ゲートオープンの5:30まで休憩。 広河原には予定通り6:10に到着した。 バスを下りるとみなさん血走って吊り橋に吸い込まれていくのだが、 少し時間をずらせば、閑散とした道になる。 早川尾根の経験でそれがわかっていたので、センターでゆっくり準備 して出発する。 天気は上々。 最短距離の大樺沢を直登し、稜線で荷物をデポして空身で北岳山頂 を往復し、時間短縮を図る。 とはいえ、高めの気温と満載の荷物なので、とにかくのんびりスタート。 バスで並びに乗り合わせたソロの初老のご婦人と、だいたい同じぐら いのペースで登る。 途中、話をしながら、山頂まで一緒に登ることにした。 ![]() 大樺沢の清流 それにしても、普通なら北岳、日本第二の高峰、に登れるだけでも かなりのイベントのはずなのですが、今回はすべてが光岳へのアプ ローチ。 北岳ですら第一の通過点となってしまう行程を思うと、今いる大樺沢 は1/20、いや1/30にもならないのではないかと気が遠くなってしまう。 それでも、標高差で1600mも登れば、さすがにあとは稜線歩きになる ので、少しは楽になるのではないかと期待も抱いていた。 後に、この期待はあっさり打ち砕かれるのではあるが・・・ ![]() 北岳の上に月 ![]() アサヨ峰 ![]() ミヤママンネングサ ![]() イワベンケイ ![]() バットレス ここしばらくの3000m級登山のおかげで呼吸は全く苦しくない。 心配なのは、意思に反して足が出なくなる事。 ゆっくり目に登っているのではあるが、それでも汗が噴き出してくる。 ![]() ヨツバシオガマ ![]() ミヤマミミナグサ ![]() ミネウスユキソウ 八本歯のコルまでの間も花々が目を楽しませてくれる。 11:12 八本歯のコル。 ![]() もう少し 初日の登りにしては、かなり快適にここまで来れた。 やはり、運転せず、仮眠できたのが大きい。 ![]() コルから富士山 ![]() コルから北岳山荘 ガイドブックでよく見る北岳山荘が見える。 間ノ岳は雲に隠れて見えない。 ![]() キンロバイ ![]() ミヤマクワガタ ![]() イワベンケイとミヤマオダマキ ![]() シコタンソウ ![]() 吊り尾根分岐 ここに荷物をデポ。 空身で山頂を往復する。 ![]() シナノキンバイとタカネヤハズハハコ ![]() さらにお花畑 ![]() アオノツガザクラ ![]() シナノヒメクワガタかなぁ 12:40 花を眺めているうちに北岳山頂。 ![]() まずは第一の通過点 ガスのため、眺望はあまりない。 ここで、一緒に登ってきたホソヤさんとお別れ。 小太郎山に行くため、肩の小屋に向かう。 ![]() コイワカガミ 日本第二の高峰に登った感慨もあまりなく、先を急ぐ。 なにしろ、今日の宿泊予定地、熊ノ平は仙塩尾根に入ったさらに先。 そしてその前に、間ノ岳を越えていくのだ。 ![]() 咲き競う花たち そんな事を考えつつも、花たちが目に入るとついカメラを向けてしまう。 13:06 吊り尾根分岐に戻る。 ![]() チョウノスケソウ 13:34 北岳山荘着。 ![]() 人たくさん まだ早い時間なのに、宿泊受付の人で大賑わい。 コーラとバッヂを購入して一休み。 北岳で会ったソロの人が、農鳥小屋までいくつもりだったが、ここで 泊まることにすると言っていた。 ![]() イワオウギ ![]() 間ノ岳への稜線 北岳山荘からは完全にガスのなかで、眺望は無い。 めざす間ノ岳も姿が見えない。 晴れていれば3000mの稜線歩きで、大展望に嬉々としながら歩ける のだろうが、薄暗い中、いくつも現れる小ピークにだまされつつ、ひた すら間ノ岳へ歩を進めるのみ。 間ノ岳の膨大な山体を、いやというほど感じた。 まだ着かない、まだ着かない。 いけども、いけども山頂は無い。 ピーク毎に、気力が削がれていく。 いくつ目かの登りを終えて、まだ先があると思ったところに、ひょいと 間ノ岳の三角点が現れた。 15:38 間ノ岳着。 ![]() 三角点 ![]() 日本第四の高峰 さて、いよいよここから仙塩尾根に向かう。 すっかり遅い時間になってしまったが、とにかく熊の平まで行かねば その先は無い。 幸いガスではあるが、雨は降らなそうなので、三峰岳への尾根を行く。 ![]() 三峰岳への稜線 踏み出してみると、やたら心細い。 なにしろ、北岳から農鳥岳の登山道はメジャールートだけに賑やか。 必ず前後に人の気配がした。 しかし、ひとたびそれを外れると、南アルプスの深さがヒシヒシと押し 寄せる。 夕暮れの道、だれもいない尾根、初めてのルート、眺望なし。 焦りと不安を振り払うように、下り気味の尾根道を急ぐ。 と、浮石に斜めに載ってしまい、転びそうになったのを持ちこたえた時 右ひざにいやな感触が走る。 痛みは無いが、靭帯を伸ばした時の感覚だ。 右ひざの靭帯は、昔痛めて少し緩んでいるのだが、そこに水平方向 外側の力がもろにかかってしまった。 下り、初日の荷物は食糧満載。 ほぼフル積載の状態で、下りの加速がついた状態からの衝撃。 ひとまず歩くには支障が無いようなので、若干ペースを落として三峰岳 に向かう。 初日、仙塩尾根にもたどり着かないところで膝を痛めるとは、もしかした ら明日は歩けなくなるのではないか、と不安がよぎる。 背後から迫りくる夕闇が、その不安を色濃く染める。 熊の平で終わりなのか? 明日、両俣に下りて、虚しくバスで帰るのか? そんな焦燥と無力感とは関係なく、チングルマの花穂が風に揺れる。 ![]() チングルマ 明日の事は明日考えよう。 今は三峰岳を越えて、熊の平に着く事だけを考えよう。 ふと気づくと、見覚えのある文字が標識に刻まれている。 「仙丈ヶ岳」 ようやく仙塩尾根にたどり着いたのだった。 ![]() 仙丈ヶ岳分岐 この矢印の彼方に、仙丈ヶ岳が、仙丈小屋がある。 あの場所と今いる場所が繋がっている。 そう感じ取れるだけで歩く力が湧いてくる。 16:16 三峰岳。 ![]() いよいよ仙塩尾根 あとは下りだ。 少し進むと、わずかにガスが晴れて、農鳥小屋へのトラバース道が 見える。 ここは大井川の源流部。 太平洋に注ぐ一滴が、今自分の足元から始まっている。 ![]() トラバース道 若干、道は険しさを増し、岩稜帯となる。 その岩に道標となる「クマ」の文字がペイントしてある。 ![]() 熊の平への道標 ガスの中、ただ一人、踏み跡を探しながら歩く。 クマのペイントは、視界から外れない範囲に必ずある。 晴れていれば、煩わしく感じるペイントが、こういう時は全く心強い。 ペイントだけを頼りに、岩稜帯を抜け、樹林帯に入る。 三峰岳まで来れば着いたも同然と思っていたが、熊の平までは妙に 長く感じられた。 行けども行けども小屋らしきものは見えてこない。 17:00を回り、本当に小屋があるのか疑わしく思い始めたころ、 尾根を回り込んだ先にテントが見えた。 着いた。 携帯で連絡をしている人がいる。 会釈して横を通り過ぎ、テントのあたりにいる人に、小屋の場所を 尋ねる。 もう少し先に小屋はあるそうだ。 どこから来たのか尋ねられたので、「広河原から北岳に登って来た」 と答えたら驚愕された。 ![]() 熊の平小屋 17:12 熊の平小屋到着。 テント泊の申し込みをすると、外国人の女の人が出てきてくれて、 「元気ですか?」と聞かれた。 よっぽど疲れているように見えたのだろうか。 「元気です、大丈夫です。」 と答えて、牛乳を買って飲んだ。 小屋に近い空きスペースに設営し、美味しいと評判の水を汲みに行く。 小屋の裏手、沢がある。 それは斜面から突如湧き出している。 美味しい。 冷たい。 大地の恵み。 山の恵みだ。 薄暮の中、たっぷり給水してテントに戻る。 隣のテントの人も、光岳まで縦走するそうで、テントやレインウェアを 自作しているそうだ。 ポールを通す穴の生地も防水にしたため、設営時に引っかかって 使いづらくなってしまったと笑っていた。 その隣のテントは男女ペアで、明日は塩見岳を往復するそうだ。 他にも光岳まで行く人がいる事で、少々拍子抜けというか、安心した。 足の心配をしながらシュラフにもぐり、夕食を食べようとエビピラフに お湯を入れ、待っている間に眠ってしまった。 ふと気づくとすっかり暗くなっていて、まだ温かさの残るエビピラフを 黙々と食べるが、眠くて食べるのも面倒だ。 シュラフの横に明日以降の地図を広げて見ていたが、睡魔に勝てず ランタンの明かりを消して、ゴロリと寝てしまった。 毎日、こんなに疲れてしまうとしたら、最後まで持つのだろうか。 体力は、精神力は、痛めた足は、装備は、天気は・・・ 不安は尽きないが、ひとまず1枚目の地図はクリアした。 明日は三伏峠を目指す。 三伏峠は水が美味くないとの情報があった、それはいやだなぁ・・・ などと、取り留めもなく考えているうちに眠りに落ちていた。
早朝から登山道を登る足音で目が覚め、結構沢山通るので意外と
眠れない。 それでもウトウト、明るくなってから食事を作って、3人で食べる。 小屋の人が「今日は早く下りた方がいい。」というので、甲斐駒は止め。 下山して増富温泉に ![]() 仙水小屋のテント場 7:40 仙水小屋出発。 ![]() 小屋前 ![]() 気持ちいい道 ![]() プチ岩場 ![]() 駒仙小屋 ![]() テントいっぱい ![]() 南アルプス林道に出た 駒仙小屋前で休んでいた初老のご婦人。 アサヨ峰から来たと話をしたら、「本当に良い山よね、私、アサヨ峰が 一番好き。」と嬉しそうに話してくれたのが印象に残りました。 長衛荘前のチケット売り場で広河原行のバスチケットを買い、時間が あるのでコーヒーと何か食事を、と思い上がっていくと・・・ 目の前のテーブルに知っている人が。 ![]() 仙丈小屋の松本さん! なんと、仙丈小屋の松本さんと再会です。 ヒロ君大喜び。 友人が来ていたので、たまたま北沢峠まで下りてきていたのだとか。 ![]() 長衛荘でパンとコーヒー ヒロ君と同年代の、長衛荘のとうこちゃんは残念ながら昨日下山して 不在。 9:37のバスの前に臨時便が出る事になり、9:30に出発。 バスに揺られて広河原に戻ります。 帰りは乗合タクシーで帰ることに。 列に並んでいると、後ろに並んだソロのおねーさん、甲府駅まで 足が無くて困っていたので、Chizさんと相談して乗せて行ってあ げる事にした。 ![]() タクシー快適 おしぼりも出て極楽の移動。 あっという間に芦安に到着。 しかもタクシーなので駐車場のそばまで行ってもらえた。 ![]() 片付け中にひと登り 駐車場には立派なクライミングボードが。 ![]() お、柘植さんのホールドだ 甲府まで送っていった後、一路増富温泉へ。 先にリーゼンヒュッテで受付とテント設営をして、増冨温泉の閉館 までのんびりしました。 当然、翌日も増冨温泉で湯治です。
ヤマレコ山行データ
2:00頃から早出のテントがゴソゴソし始める。 3:30に起きる予定だったが、結局目が覚めたので2:30に起きて準備 を始める事にする。 まずは寝てるヒロ君を着替えさせて、一人で外へ。 小屋前のベンチで先に自分の食事をしながら、二人分のエビピラフを 作る。 水汲んでハイドレーション準備して、明るくなってきたので二人を起こ して朝食にしてもらう。 その間にテント撤収。 まわりのテントも三々五々、それぞれの目的地に向けて出発していく。 5:00 たかはしさん達に見送られて早川尾根小屋出発。 ![]() 快晴! ![]() 北岳 ![]() 仙丈ヶ岳 ![]() 急登を行きます 後発のたかはしさん達が追いつき、しばらく一緒に歩いた後で先に 行ってもらいます。 またいつか、山で。 こちらはのんびりペースで。 ![]() 雲海広がる甲府盆地側の眺望 ![]() アサヨ峰まだ遠く ![]() 早川尾根が見えてきます ![]() 北岳 ![]() どどーんと甲斐駒 ![]() 急下降して急登 ![]() 北岳展望台 ![]() アサヨ峰まであと少し ![]() 早川尾根、鳳凰三山、富士山揃い踏み ![]() 岩稜帯の登りは余裕です ![]() 北アもお出迎え ![]() 乗鞍 ![]() 岩時々ハイマツ藪漕ぎ 9:10 アサヨ峰到着。 第一級の展望台です。 ![]() 良い山です ![]() 富士山くっきり ![]() 南アの山々 ![]() 早川尾根全景 Chizさんが途中で落としたポーチを拾ってくれたアシベさん、あり がとうございました。 こんな人が少ないルートで、落とし物が戻ってくるなんて奇跡です。 もっとずっと居たかったのですが、先も長い事だし進むとします。 ![]() 栗沢山へ ![]() いい笑顔 アサヨ峰-栗沢山間は岩稜帯。 結構な落差の登下降が何か所かあります。 11:52 栗沢山到着。 ![]() 眠くなったヒロ君 甲府盆地側は完全にガスの中。 ![]() 雲間の甲斐駒 ![]() お疲れ様でした 仙水小屋まで下ります。 ![]() あっという間に山頂遠く 地形図で見たとおりの急下降、容赦無しです。 ひたすら仙水峠を目指しております。 ![]() 休憩 14:24 仙水峠。 ![]() 小屋まであと一息 ![]() お疲れ様でした ここで雷鳴が。 急げば小屋までなんとかもつかと思い、歩き出してすぐに2回目の 雷鳴。 直後に大粒の雨が降り出した。 間に合わなかった、残念。 レインウェアを着て、北沢の大昔の流れ跡(仙水峠反対側の大武川 に源流部を侵食、略奪されて源流部がなくなってしまった。)の岩ゴロ を歩く。 こういう地形はなかなか先に進めない。 15:45 仙水小屋着。 テント場は結構いっぱいで、登山道の反対側に個室が空いていたので そこに設営。 疲れも溜まっているし、アミノ酸とShotzが足りないので、明日の甲斐 駒は中止の方向で、朝最終決定にして寝る。
ヤマレコ山行データ
毎年恒例になってきたヒロ君のお誕生日山行。 今年も尾瀬に行くつもりだったが、南アルプスにすっかりヤラレテし まったので、「超コアな南アルプス」早川尾根縦走をすることにした。 とはいえ、鳳凰三山からのフルコースは厳しいと思われるので、 夕立リスクを回避する意味でも、14:00には行動終了できる範囲 での計画とした。 で、立てたプラン(ざっくり)は Day1 広河原→早川尾根小屋(テント泊) Day2 早川尾根小屋→アサヨ峰→栗沢山→仙水小屋(テント泊) Day3 仙水小屋(テントデポ)→甲斐駒→北沢峠→広河原 Day3は天候と体調次第で、ダメならそのまま下山して温泉へ。 みずがきリーゼンヒュッテのテント泊を予約してあるので、翌日と あわせて2日間、増冨温泉でのんびり湯治もあり。 Day4 増冨温泉滞在→帰宅 広河原の始発バスに合わせて自宅発の予定が、出発に意外と手間 取ってしまい、3:30に自宅発となってしまう。 幸い、高速は空いていたのと、始発は諦めて2便目5:40発に変更 したので気分的には焦らなかった。 で、結局芦安に着いたら5:15。 しかも停めれたのが第8駐車場だったので、バスターミナルまで歩 いて着いたのが5:35ギリギリ。 幸い、大混雑のためにバスダイヤはグダグダになっていて、2便の 出発は6:00にずれ込んだ。 チケット購入時に席が無いので立つと言われたが、次のバスだと 小屋に着くのが遅くなるので立ってでも乗ることにした。 ![]() バスチケット購入待ち 幸い、席を譲ってくれた人がいて、Chizさんとヒロ君は座れた。 広河原までのバス1時間は結構大変。 道が悪いので、上下左右に揺さぶられ、ヒロ君は酔ってしまった。 途中、夜叉神峠の駐車場も目いっぱい。 下車2名のみで満載のまま広河原へ。 7:00 広河原着。 インフォメーションセンターの2Fで酔い覚まし、兼朝食やら準備で 1時間ほど滞在。 登山届も出せたのでよかった。 ![]() 快適インフォメーションセンター 8:09 広河原発。 あれだけ沢山いた人は、見事に北岳への橋に吸い込まれて行き、 橋が落ちるんじゃないかと思ったほど。 で、その先に行くのはわれら3名のみ。 前にも後ろにも人なし。 ![]() 林道ゲート先で北岳をバックに しばらく歩くと白鳳峠分岐。 そのまま進んですぐに広河原峠分岐。 8:50 広河原峠分岐登山道。 ![]() 一瞬踏み跡が無いかと思った入口 ![]() 細い道 ![]() 橋わたり ![]() 綺麗なせせらぎの音 ![]() そんな道を行く 南アルプス、本日貸切。 海の日三連休に、こんな素晴らしい登山道で誰にも会わないなんて 最高の贅沢。 ![]() ゴゼンタチバナ群落 気持ちのいい森を登りきると、そこが広河原峠。 森の中と、上部はガスのおかげで暑くなくて体力を消耗しなかった。 12:47 広河原峠。 予定よりも早く着いた。 ![]() 小屋まであと少し 13:30 早川尾根小屋到着。 たかはしさん達は30分程前に到着していて、テント泊の受付をして いるときに出迎えてくれた。 1ヶ月ぶりの再会。 ヒロ君も会えて嬉しそう。 ![]() テント場 今日は運転もなく、行動もないので、珍しく安心してお酒が飲める。 たかはしさん達とビールで乾杯。 うめ~♪ 早めの夕食をとって、19:00ぐらいには寝ました。 明日は長丁場だし、楽しい稜線歩きが待っている。
ヤマレコ山行データ
岩とか、ヒロ君ペースに合わせた山歩きが多かったせいか、体力低下 (とくに足)を感じる最近。 たまにはアホな事をしようと、鳳凰三山日帰り縦走を試みる。 前日の天気予報、午前中みたら翌日曇り&雨予報になっていたので 諦めて「夏武尊」してみようと思っていた。 帰宅して再度確認したら晴れになっていたので、決行。 24:00頃自宅を出発。 青木鉱泉に2:30到着。 駐車場には車4台程。 3:15に一旦出発するが、しばらく歩いてから車のキーロックが不安 になったので戻って確認。(ちゃんとロックしてた。) 3:30 再出発。 夜空はものすごい数の星。 ドンドコ沢の沢沿いコースを行く。 ![]() 4:05 分岐 山沿いコースとの合流からけっこうな急登になり、何となく元来た方向 に戻されているような気がした。 標高差で50~60mぐらい登ってから、一旦分岐まで戻ることにした。 分岐で地図と現況を比べるが、どうも間違っていないようなので、再度 今下りてきた道を登る。 ![]() 5:02 日が出た それにしても、100名山とは思えない狭い道。 急峻な斜面に切られた1mに満たないトラバース道。 踏み外すと、もれなくドンドコ沢でキャニオニングできます。 5:15 南精進ヶ滝着。 ![]() 名瀑です ![]() ギンリョウソウ発見 5:41 鳳凰の滝分岐で休憩。 日が出たら気温が上がって暑い。 樹林帯なのが幸い。 この先で少々危ない状況に。 突如、踏み跡が消滅。 それまではっきりした道を歩いていたのが、ぱったり無くなってしま った。 前方、下方に道は無いので、消去法で踏み跡のある上へ。 と、まもなく鳳凰の滝と思われる崖にでてしまった。 周辺を見るが、道はなく、道を探して徘徊。 結局、踏み跡は獣道で、カモシカさんの縄張り(大量の糞)だった というオチ。 100名山でこんな不明瞭な道のはずないよな~と思っていたので 納得して元の道まで下りる。 この状況で滑落したら、道迷い遭難間違いないですね。 さて、踏み跡まで戻って落ち着いてから道探しをしようと思ってい たら、後続2名様ご案内。 「道ありますか?」と聞かれたので「獣道でした。」と答える。 3人で少し戻って周辺を見ると、なんと下りる道がある。 トラバース道は倒木で通れない、かつ下りる道のペイントが登って 来るときには見えにくい位置にあり、しっかりした踏み跡のまっすぐ な方向に吸い込まれてしまったのだ。 そんなわけで、この二人とだいたい一緒のペースで歩くことになる。 ![]() 富士山! ![]() キバナノコマノツメ 7:55 五色の滝を見に分岐から空身で下りる。 ![]() すごい 鳳凰小屋まであと少し。 ![]() 地蔵ヶ岳現る 8:46 鳳凰小屋到着。 ![]() 鳳凰小屋 ![]() 小屋前に咲くミヤマキンポウゲ 花に金属光沢があるのが特徴ですね。 ミヤマキンバイに似てますが、葉も違います。(ミヤマキンバイは イチゴに似た葉) ここで、鳳凰三山バッヂ購入。 薬師小屋にいくかどうかわからないですからね。 8:56 鳳凰小屋発。 ![]() 明るい地蔵ヶ岳への登り 9:54 地蔵ヶ岳着。 オベリスクの登りは、後のことを考えてやめておく。 ![]() よく登りました ![]() 仙丈ヶ岳 ガスが上がってきていて、間に合わないとあきらめていたけど、 仙丈ヶ岳が綺麗に見えて本日の主目的達成。 よかった。 10:06 地蔵ヶ岳発。 ![]() 謎のタワー さあ、ようやく楽しい稜線歩き。 ガスはかかってますが、時折遠くの山が見えます。 ![]() 赤抜沢ノ頭付近からアサヨ峰、仙丈ヶ岳方面 ![]() コイワカガミ ![]() ツマトリソウ ![]() 北岳 ![]() 大樺沢の広河原付近 ![]() 地蔵ヶ岳と赤抜沢ノ頭を振り返る 11:12 鳳凰小屋分岐 ![]() ここから観音ヶ岳への登り 風化花崗岩の砂は新雪のようで足元が崩れます。 ![]() ハクサンイチゲ ![]() コイワカガミの群落 コルから観音ヶ岳への道にはコイワカガミがお花畑を作っています。 11:50 観音ヶ岳着 ![]() 鳳凰三山最高点 眺望は無し。 でも日が出ていないおかげで体力消耗が少なくて済みます。 ![]() 結局ずっと一緒に歩いています このお二人もどうやらソロ同志のようで、何故かソロ3人がパーティー になっています(笑) 後で聞いたら68歳と60歳だそうで・・・強い。 ![]() 時折顔出す太陽 12:25 薬師ヶ岳到着。 無事三山縦走完了。 ![]() 満足 ここで昼食。 キュウリの漬物頂いたり、食べきれないからとコンビニのおにぎりを 頂いたりと、もらってばかりです。 30分程ゆっくり休んで、いよいよ下ります。 12:59 下山開始。 ![]() 青木鉱泉へ ![]() ミヤマハンショウヅル 足もだいぶ死んできているので、下山の段差が堪えます。 忍耐の下山です。 これが3時間以上続くと思うとグッタリしますが、登った分は下りない と温泉にも入れませんです。 13:40 御座石通過。 巨石です。 ![]() 大きすぎて全部入らないので隅っこを とにかく、ひたすら我慢の下山です。 温泉が待っていると思い、下りますが、なかなか高度が下がりません。 15:14 林道合流。 ![]() 道路だ文明だ ここで、急斜面が嫌になったので、林道を歩くことに。 平らで歩きやすいですが、とにかく長い。 2.5kmぐらいの林道歩きを耐えて、ようやく青木鉱泉に。 ![]() 近道の標識が神に見えます ![]() 本日一番スリリングな橋 16:45 青木鉱泉帰着。 長い長い、長~い旅が終わりました。 薬師ヶ岳の時点で「全行程の8割は終わった気分ですね。」などと 呑気に話をしていたのですが、とんでもないです。 気分的には薬師ヶ岳で半分です。 ![]() 久しぶりにアホなことをしました お風呂に入って18:00、帰りがけに、ここの水が美味しいという話を 宿のおじいちゃんにしたら、2Lのペットボトルを2本くれて、汲んで帰 りなさいとのありがたいお心遣い。 いや、ホントに美味しいんです、ここの水。 鳳凰三山の花崗岩に磨かれた水、たらふく飲んで帰路に着きました。 でっかい山でした。 ※追記※ 通行止め情報 ドンドコ沢崩落のため、沢沿いルートと山沿いルートの合流手前、 中道方面に渡る橋は通行止めになっています。 下山に中道を使う場合、登山道終端からそのまま林道をまっすぐ 進み、途中、近道の看板から渡渉して青木鉱泉に行きます。 行きに中道を使う人はいないとは思いますが、その場合は青木鉱泉 から渡渉しないと、途中からは渡れませんのでご注意。
6/4の富士山で、体力不足で撃沈したため、イマイとリベンジ。
たまには板を持たないで、純粋に富士山を登ってみようという話で 滑走抜き登山を予定。 ・・・が前日の高所予報を見たら、標高3000mで風速20m。 だめです。 で、甲武信ヶ岳にターゲットを変更して、イマイを回収後、群馬まで 移動したところで土砂降り。 コンビニの駐車場で「う~ん・・・」と悩んだ末に、甲武信ヶ岳は中止。 なにしろ、登り登山道の大半が沢筋です。 倉渕のクラインガルテンで、クライミング練習するかと、念のため HPを確認したら、震災の影響で破損し、撤去となったそうな。 あいたたた。 じゃあ、黒岩の南面なら岩の乾きも早かろうと、榛名山登って黒岩へ。 半日ほど、ビレイ練習やら懸垂やらで過ごして終了。
深夜に起きた時は、窓から仙丈ヶ岳の山頂が見えていたが、3:00
の目覚ましで起きると、小屋は完全にガスに包まれていた。 ご来光は中止にして、また眠る。 5:00の朝食開始で起き、元気に目覚めたヒロ君と一緒に食べる。 とはいえ、高所の影響か、あまり沢山は食べれず。 自分が美味しく頂く事になる。 Chizさんは白湯を飲んで、すこし調子が出たようで、遅れて朝食を 食べた。 7:00 いよいよ仙丈ヶ岳に向かう。 最短ルートで行くため、アイゼン付けて小屋裏の雪渓から山頂へ。 ![]() 尾根から見下ろす仙丈小屋 一瞬ガスが薄くなって小屋が見えたが、すぐに隠れてしまう。 ![]() 尾根から仙丈ヶ岳 8:00 仙丈ヶ岳山頂。 ![]() 登頂おめでとう 残念ながら眺望はありませんでしたが、こういう時は「またおいで」 という事です。 10分ほど雲が切れるのを期待して待ちましたが、回復しないので 諦めて小屋に戻ります。 小屋でのんびり片付けをしていて、帰りのバスの話になった時、今日 は日曜日なので、15:00のバスが無い事に気づく。 あわてて13:00のバスに間に合うように、装備を片づけていると、 おやっさんが電話で確認してくれて、臨時便で15:00も出ると教えて くれた。 ああ、よかった。ありがとう、おやっさん。 他に誰もいなくなった小屋を10:00に出発。 お世話になりました。 ガスで見えなくなる時、小屋の鐘を鳴らしてくれたのが心にしみた。 ![]() 小仙丈手前で ソロの方に撮って頂きました。 ![]() またまた雷鳥さんのお見送り ![]() 下界へ ![]() 12:46 大滝頭分岐 ![]() 四合目付近の深い森 三合目で小休止。 あと少し。 14:26 一合目通過。 なんとか15:00のバスには間に合いそうです。 14:42 北沢峠帰着。 ![]() やったぞ! 累積標高差2200m程、完登です。 よく頑張りました。 バス停で待っていると、昨日行きに一緒にバスに乗ったパーティー と再会。 ヒロ君が「またお会いしましたね。」と親睦を深めていました。 15:00のバスは補助席も使う満員。 ![]() バス出発直後に現れたカモシカさん 眺望もないのでウトウトしながら、気が付くと仙流荘についていました。 15:49 仙流荘到着。 前回の反省から、仙流荘でお風呂に入ってしまう事にする。 ヒロ君の好きな露天風呂は無かったが、綺麗でゆっくり疲れが取れた。 森林、雪渓、森林限界、岩と、間延びしないルートは登山のいいとこ 取り。 素晴らしい山です。仙丈ヶ岳。 ただ、「南アルプス入門編」に騙されると、たぶんひどい目にあいます。 標高3000mオーバーの稜線ですので、装備と体力と準備はそれ 相応に。 また天気のいい日に行きましょう。
この土日、尾瀬にテント泊で水芭蕉を見に行こうと思っていました。
・・・が、土曜日の雨予報と、事前調査で「木道が一部水没」している 模様。 15~16で登った感じでは、ヒロ君なら十分行けるルート&日曜日の 晴れ予報を信じて、小屋泊まり山行決定。 17日は自宅で、装備で悩んでいました。 ヒロ君の足だと、おそらく9:00に北沢峠を出て、小屋着が15:00 少し過ぎると予想。 かつ、午後からは寒気が上空に入るため、落雷の危険を考えると 小仙丈尾根は通れない。 大滝頭から藪沢ルートにトラバースする道は、北斜面で結構急峻 な等高線の間隔。 という事は、残雪豊富で、しかも緩んでいない可能性高し・・・ ヒロ君が疲れて歩けなくなった時のために、キッドコンフォートは 必須。(エスケープルートが無いため、小屋に行くか、北沢峠に戻る しか選択肢がない。動けなくなったらいずれにしても担ぐことになる。) 20mのFIXロープは必携として、30mのダイナミックを持っていくか どうか・・・ ザックに装着してからもしばらく悩み、最後に軽量化のため外した。 30mをつかうような局面に出会ったら、撤退と決めた。 当然、アイゼンピッケルは標準装備。 3:00起床、4:00自宅出発。 一人の時よりも休憩回数が増え、伊那で朝マック買ったりしていたら 仙流荘に着いたら7:30近かった。 危ない危ない。 ![]() 眠そうなヒロ君@仙流荘バス停 人も少ないので、8:00のバスはゆったり乗車。 景色はガスで全く見えず。予想どおり。 9:00に北沢峠到着。 ![]() 準備中 9:15 北沢峠発。 とにかくゆっくり。 標高差200m~300m/hぐらいのスローペースで歩きます。 今までの経験から、前半2時間のペースが速いと、後になって眠く なって行動不能に陥ります。 「15:30に小屋に着けばいい」つもりでのペース配分です。 ![]() 三合目を行くヒロ君 11:09 三合目通過。 オンペース。 11:35 四合目通過後、しばらくして雨がぱらついてきた。 五合目まであと少しで、分岐でレインを着ようと思ったが、雨足が 強まる気配だったため、登山道途中で着替え。 これが正解で、もし着ていなかったら五合目までで結構濡れた。 12:32 五合目、大滝頭分岐。 ![]() 大滝頭分岐到着 ここで、レイン装着中の2名パーティーを抜かして、ロープで塞いで あるトラバース道へ。 ![]() 谷間のトラバース道 このルートはフラットに登っていくので、ヒロ君の体力消耗は少ない。 あとは途中から、どのぐらい雪が出てくるかで行動スピードが決まる。 しばらくのんびり歩いていると、後ろから話し声が。 先ほどの2名+3名のパーティが抜かしていった。 と、ほどなく雪渓出現。 ちょうど、滝の落口で雪が切れていて、トラバースで滑るとそのまま キャニオニングで100mぐらいは落とされる感じ。 抜かしていったパーティのうち年配2名が、確保無しで草付から突破 を試みている。 いやいやいや、ほかの人、通過できないから。 「FIX張りますので待っててください。」と残ってる人に言ってから、アイ ゼン履いてロープ張り。 FIXさえあれば、それほど危ない場所ではない。 ![]() ルート工作中 撮影by「たかはしさん」 プルージックスリングつけて、雪渓登り口にピッケル埋めて掴り紐を つけて完成。 ![]() ヒロ君トラバース中 撮影by「たかはしさん」 ↑結構、「ピューっ」と逝けそうな斜度でございましょ? ![]() Chizさん突破中 撮影by「たかはしさん」 FIXがユルユルなのは、きっちり張っちゃうと手が届かない高さになって しまうからです。 全員無事通過。 結局、難易度的にはここが核心でした。 その後も3つほどトラバースがありましたが、先行グループのトレースと フォローもあって、それほど苦労せず。 13:40 藪沢小屋通過。 ![]() 藪沢小屋 このへんで、先行グループと別れます。 ![]() 雪渓を行く 馬ノ背ヒュッテで甘いものとShotz、アミノ酸、塩を補給。 最後の登りに備えます。 ![]() 14:47 丹渓新道分岐 馬ノ背の稜線に出ると、小屋の方からコールが聞こえます。 返すけど応答がないので、風で聞こえないのかもしれません。 一か所、ハイマツが切れた場所で、吹き上げる風が強く、結構寒い 思いをしたので、今日はこちらのルートで正解でした。 ヒロ君もいよいよ体力も限界に近いようで、「小屋はどこ?」としきりに 尋ねるようになってきます。 しかし、ガスで何も見えず。 と、ガスの向こうから呼ぶ声が。 小屋から後藤さんが迎えに来てくれました。 2日ぶりの再会です(笑) お兄さんが迎えに来てくれたので、ヒロ君は元気が出たようです。 最後のチョコレートを食べて、小屋まで最後の登りを踏ん張ります。 と、突如、ガスの向こうに小屋の屋根が見えました。 ![]() 無事到着 16:03 仙丈小屋到着。 ヒロ君、標高差1000mを自力で登り切りました。 小屋に入ると、先行していたグループのみなさんが、ヒロ君を大歓迎。 「よく来た、よく来た!」 と、ウェアを脱がして、ストーブに案内してくれました。 ![]() 薪ストーブでほっと一息 前回と違って小屋は賑やか。 夕食も、みんなでワイワイ。 今回は調子も良いので、前回飲めなかったお酒「仙醸」を頂きます。 消灯の19:30まで、今日の藪沢ルートの話や、山スキーの話で盛り 上がり、結局、たかはしさん達と21:30ぐらいまで、場所を変えて 二次会してました。 ヒロ君は17:00ぐらいには熟睡。 おやっさんが布団部屋に布団を敷いて、寝やすくしてくれました。 Chizさんは・・・例によって不調ですが、コーヒー飲んだり、三光丸 飲んだりで眠れたようです。 明日は晴れるといいなぁ。
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